住宅所有者への支援

サブプライムローンってなんだかよく分からない。ローンの仕組は?何が問題なの?どういう風に私たちの生活に影響しているの?そんなサブプライムローンの色々な疑問を解決します!

住宅所有者への支援

住宅所有者の支払余力と安定性支援計画

2009年2月18日、米国のバラク・オバマ大統領は900万に上る住宅所有者を差し押さえから救うために730億ドルの支援計画を発表しました。これはさらにファニーメイとフレディマックに対して住宅ローンの購入と借り換えを促すための2000億ドルの資金援助によって補完されています。この計画の主な財源はEESA(緊急経済安定化法)の7000億ドルから成る緊急資本注入用基金でした。これは費用分担とインセンティブを通じて貸し手が住宅所有者に求めるローンの弁済金額を住宅所有者の月収の31%以内にさせようというものです。この計画の下では、貸し手にまず月々の弁済額を借り手側月収の38%以内とする責任が生じ、そこから先は政府が費用分担して最終的に31%以下とすることを期す形を採っています。この計画の中には借り手のローン残高の一部を棒引きすることも含まれています。住宅ローンの提供企業はローンの条件を変更し住宅所有者の債務不履行を回避させることに対してインセンティブを受けます。

住宅所有者への支援

貸し手と借り手の双方にとって、差し押さえを防ぐことにはメリットがあります。差し押さえは経費と手間のかかる長い手続きだからです。一部の貸し手は困難に陥った借り手に対してより良い住宅ローン条件への借り換えやローン条件の変更、「Loss mitigation」と呼ばれる米国流の第三者介入による融資条件整理などをを申し出ています。借り手はまた貸し手に連絡して代替策を相談するように勧めらえています。エコノミスト紙はこの問題を次のように描写しました。「住宅の差し押さえが津波のようにアメリカを覆い尽くす中で、金融危機の他の側面は対して話題にもならず霞んでしまった。政府の対策は奏功しておらず、民間の努力も似たようなものだ」。差し押さえを受ける住宅は普通なら年に100万戸ですが、2009年~2011年にかけては合計900万戸にも及ぶ恐れがあります。シカゴ連邦準備銀行による2006年の調査では、差し押さえ1件当たりの損失はおよそ5万ドルに相当するので、900万戸の差し押さえは4500億ドルの損失を意味する事になります。2007年~2009年にかけて、様々な民間努力や政府の監督、または支援を受けた対策が講じられ、住宅所有者に住宅ローンに関する個別支援を提供して、米国を呑み込みつつある差し押さえ危機を緩和しようとしました。一例として「ホープ・ナウ連合」がありますが、これはある種のサブプライム層を助けるための米国政府と民間業界による共同事業でした。2008年2月の報告によれば、この連合は2007年下半期には信用状況が危ういサブプライム層の借り手545000人に対して支援を提供しました。これは2007年9月の時点で存在したサブプライムローン710万件のうち7.7%に当たります。この連合の広報担当者は遥かに大きな努力が必要だと認めています。

差し押さえの延期

2008年終盤、大手銀行とファニーメイ及びフレディマックは、住宅所有者に借り換えに向けて努力する時間を与えるため差し押さえのモラトリアム(延期)を実施しました。批評家たちは個別の住宅ローン条件変更には効果がないと論じています。何故なら差し押さえ全体の中で支援を受けられる債務者の数が少なすぎるからで、また支援を受けた住宅所有者の40%が8週間以内に再び滞納に陥っているからです。2008年12月、FDTCは2008年上半期に条件変更を受けた住宅ローン残高を削減すれば、月々の支払額が下がり、また住宅価値がローン残高を下回っているため意図的に債務不履行を起こす経済的な動機がある推定2000万人もの住宅所有者を引き留めることにもなります。ボストン連邦準備銀行が実施したある調査は、銀行がローン条件の変更を渋っていることを示しました。2008年を通じて、深刻な滞納状態にある住宅所有者のうち住宅ローンの支払いを減額されたのはわずか3%でした。更に、不動産担保証券を所有して住宅ローン条件変更に対し、腹に一言ある投資家たちも特に黙っていたわけではなく、調査によればローンを管理するのが銀行だろうと投資家だろうと借り手に対する支援が実施される割合に違いはありませんでした。この調査結果を受けて、経済学者のディーン・ベイカーとポール・ウィレンは資金を銀行ではなく住宅所有者に直接提供すべきだと提唱しました。ロサンゼルス・タイムズ紙が報じたある調査結果では、住宅ローンを受けた時点で信用スコアが高かった人と低かった人を比べた場合、戦略的債務不履行(いきなり意図的にローン返済を箒すること)を起こす割合は前者の方が50%も高かったそうです。このような戦略的債務不履行は価格が最も大きく下落した市場に集中しています。推計では2008年に発生した戦略的債務不履行は全米で58万8千件に達し、これは2007年の合計に比べて2倍を超えていました。これは2008年第4四半期に発生した60日超の深刻な滞納件数全体の中で18%を占めていました。